
工期短縮の鍵!乾式工法とは?
乾式工法とは、水を使わずに建物を建てる方法です。文字通り、乾いた状態での施工が特徴です。従来の建築方法では、コンクリートなどを流し込んで固めることが一般的でした。コンクリートが固まるには水が必要で、その後、しっかりと乾くまでには長い時間がかかります。この乾燥期間は工期を長くする要因の一つでした。
一方、乾式工法では、工場であらかじめ部材を製造し、現場ではそれらを組み立てるだけです。まるでプラモデルを作るように、用意された部品を組み合わせていくイメージです。例えば、壁を作る場合、工場で石膏ボードなどの板状の材料を適切な大きさに加工しておきます。現場では、この板を柱や梁などの骨組みにネジや釘などで固定するだけで壁が完成します。床の場合も同様で、工場で加工された床材を現場で敷き詰めて接着するだけで済みます。
乾式工法の最大のメリットは工期の短縮です。水を使いませんし、現場での加工も最小限なので、従来工法に比べて大幅に工期を短縮できます。工期が短縮されれば、人件費や現場管理費など、建築にかかる費用を抑えることができます。また、工事を早く終えることは、騒音や振動などの周辺環境への影響を少なくすることにもつながります。
さらに、乾式工法は環境にも優しいと言えます。コンクリートの製造には大量のエネルギーが必要ですが、乾式工法ではコンクリートの使用量を減らすことができます。また、廃材も少なく、資源の節約にも貢献します。このように、乾式工法は工期の短縮、コスト削減、環境負荷軽減という多くの利点を持っているため、近年、建築業界で注目を集めています。今後も様々な建物の建設で、乾式工法の採用がますます増えていくと予想されます。