
役立つ小部屋、サービスルーム活用術
居室に求められる採光や空気の入れ替えの基準を満たしていない小さな部屋、それがサービスルームであり、略してSRと呼ばれています。建築基準法で定められた居室とは、寝室や居間、食堂など、人が継続的に生活する場所を指します。つまり、十分な明るさと風通しが良いことが求められるのです。しかしサービスルームはこれらの基準を満たしていないため、正式な居室としては認められていません。
具体的に言うと、サービスルームは窓が小さかったり、空気の入れ替えのための設備が簡素だったりする場合があります。そのため、採光や換気の面で居室よりも劣るのです。しかし、逆に言えば、基準が緩やかであるという点が、サービスルームの多様な活用方法を生み出しています。
例えば、納戸として荷物を収納したり、書斎として読書や書き物に集中できる静かな空間として利用したり、趣味の部屋として自分の好きなものを集めた特別な空間を作ることもできます。また、ウォークインクローゼットとして衣類やアクセサリーを収納したり、子供の遊び場としておもちゃなどを置くスペースにしたりすることも可能です。最近では、自由な空間という意味を持つ「フリールーム」という呼び方も一般的になってきました。このように、多目的に使えるという自由度の高さが、サービスルームの大きな魅力と言えるでしょう。
ただし、サービスルームはあくまで居室ではないため、寝室として利用する場合は注意が必要です。採光や換気が不十分だと、健康に悪影響を及ぼす可能性もあるからです。サービスルームをどのような用途で利用するにしても、その特性を理解した上で、快適な空間を作る工夫をすることが大切です。