
MDF:家具製造の立役者
中密度繊維板、略してMDFは、家具や建築材料として幅広く使われている便利な板材です。一体どのように作られているのでしょうか。まず、木材を細かく砕いて繊維状にします。この木材繊維に、接着剤の役割を果たす合成樹脂を混ぜ合わせます。そして、熱と圧力をかけてぎゅっと固めることで、板状に成形されるのです。
このMDFには、様々な利点があります。まず挙げられるのは、加工のしやすさです。MDFの密度は、1立方センチメートルあたり0.35から0.80グラム程度と、木材と比べて比較的軽い素材です。そのため、のこぎりや電動工具で簡単に切断したり、穴を開けたりすることができます。また、表面が滑らかで均一な質感を持っているため、研磨などの下準備も比較的簡単に行えます。
次に、デザインの多様性もMDFの魅力です。MDF自体は木目がないため、一見すると木材とは違った印象を受けます。しかし、この滑らかな表面は、塗装やシートを貼るのに最適です。まるで画用紙のように、様々な色や模様に仕上げることができるため、家具や内装材として、多様なデザインに対応できます。
さらに、価格の安さも見逃せません。一般的に、MDFは木材よりも安価で入手できます。これは、MDFが木材の端材や間伐材などを利用して作られることが多いためです。材料を無駄なく活用することで、環境にも優しく、コストも抑えることができます。
これらの特徴から、MDFは家具だけでなく、扉や床材、スピーカーの筐体など、様々な用途で活用されています。入手しやすく、加工しやすいことから、日曜大工を楽しむ人々にも人気が高まっています。