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賃貸トラブル解消!原状回復の基礎知識

賃貸物件を退去する際、必ず耳にする言葉が「原状回復」です。これは、借りる前の状態に戻すことを意味しますが、すべてを元通りにするという意味ではありません。よく誤解される点として、入居中のあらゆる変化を借主の負担で直すと思われがちですが、実際はそうではありません。 原状回復義務の範囲は、借主の故意、過失、不注意によって生じた損傷の修繕に限られます。例えば、壁にポスターを貼るために開けた画鋲の穴や、家具を移動させた際に付けてしまった床の傷などは、借主の責任で修復する必要があります。また、ペットによる汚れや臭いなども、原状回復の対象となります。 一方で、通常の生活を送る上で避けられない経年劣化は、借主の負担ではありません。例えば、日当たりによる壁紙の黄ばみや、畳の自然な日焼けなどは、経年劣化に該当します。また、設備の老朽化による故障も、通常は借主の責任範囲外です。地震や台風などの自然災害による被害も、同様に借主が負担する必要はありません。 しかし、経年劣化と借主の過失による損傷の境界線は曖昧な場合もあります。例えば、換気を怠ったことによるカビの発生は、借主の過失と判断される可能性があります。また、掃除を怠っていたことで汚れがひどくなった場合も、原状回復を求められることがあります。 退去時のトラブルを避けるためには、入居時に物件の状態を写真や動画で記録しておくことが重要です。また、契約書に原状回復の範囲が明確に記載されているか確認し、不明な点は不動産会社に相談しておきましょう。普段から丁寧に住まいを扱い、適切な清掃や換気を心掛けることも大切です。