積層材

記事数:(1)

素材

建築における積層材:種類と用途

積層材とは、薄い板を何枚も重ねて接着剤で貼り合わせた建築材料のことです。一枚一枚の板を層のように重ねていく様子から、積層材という名前が付けられました。集成材とも呼ばれています。木材を無駄なく活用できること、そして強度が高いことが大きな特徴です。 一本の大きな木材から柱や梁などを取ろうとすると、どうしても使えない部分が出てきてしまいます。しかし、積層材の場合は、薄い板を使うため、木材を効率的に活用できます。小さな木材や曲がった木材なども、無駄なく利用できるのです。環境保護の観点からも、積層材は注目を集めています。 積層材は、薄い板を複数枚重ね合わせることで、一本の大きな木材では得られない強度と寸法安定性を実現しています。一本の木材には、どうしても繊維の方向や節などの影響で、強度が均一ではない部分や、乾燥による収縮や反りが発生しやすい部分があります。しかし、積層材の場合は、板を繊維方向が交互になるように重ねて接着するため、強度が均一になり、反りや割れ、狂いが生じにくくなります。 また、積層材を作る際には、節や割れなどの欠点部分をあらかじめ取り除いた板を使用します。そのため、品質が均一で高い信頼性を誇ります。このように、積層材は高い強度と寸法安定性、そして高い信頼性から、住宅だけでなく、体育館やホールなどの大規模な建築物にも幅広く利用されています。特に、大空間を支える梁や柱などに用いられることが多く、現代の木造建築には欠かせない材料となっています。さらに、近年では、技術の進歩により、曲線を描いた部材なども作られるようになり、デザインの自由度も高まっています。